正しい友達の慰め方

 

 

いつになってもわからない。

 

 

昔、友達が自殺を断念した翌日に電話を掛けてきたことがある。「いや前の日に電話しろよ」と思った。

 

 

きっかけは家庭環境だった。私の想像を絶するもので、何を言ってもダメな気がして黙って聞いていた。その子は何ひとつ悪くないと、分かっていたけど何も言えなかった。

 

 

とにかく何か言わなきゃと思って「私が悲しいから死なないで」と、1番に頭に浮かんだことを言った。そしたら「アンタのエゴでしょ」と怒られてしまった。その日はまた何かあったら真っ先に相談してほしいということだけ伝えて電話を終わらせたのだけれど、自分のために死んでほしくないと思うことの何が悪いのかは分からなかった。

 

 

 

田口くんが辞めた時もそうだ。

 

 

少し暗い顔で教室に入ってきた友達に、「大丈夫?」と声をかけてしまった。大丈夫な訳ない。大丈夫だったらこんな死にそうになってない。慌てて「ごめん、大丈夫じゃないよね」と付け加えたら「いや大丈夫。案外イケる。」と、田口くんの退所をイケるかイケないかで判断しているこの子は多分どこでも生きていけるなぁと思った。

 

「田口くん、永遠の王子様だから」

 

ジャニーズにいなくても、元気にやってくれればそれでいいんだよね。

 

慰めるまでもなく立ち直っていた。

 

 

 

エイターの友達がいる。

 

昨日、「生きてる?」とLINEをした。

 

「どうやって生きていけばいいの」と、返事が来た。

 

その子がどれぐらい応援してきたかは知らない、誰のことをどれぐらい好きなのかも知らない。でも、その子の宝物だったということが、この一言で痛すぎるぐらい分かってしまった。


次の日、真っ赤な目と目が合った。あ、と思った。その瞬間、涙がボロボロと零れ落ちたのを見た。

 

可哀想だった。

 

慰められてもどうにかなるものじゃないことは、ジャニオタなら感じ取れた。

 

ずっと話を聞いていた。

 

すばるくんは会員番号も1番の、正真正銘1番のエイターなこと、本当に関ジャニが大好きなこと、才能があること、どんな形になっても関ジャニ関ジャニだと、泣きながら言ったこと、大倉くんの腸閉塞は食べすぎが原因なこと、色々教えてくれた。


聞いているだけだったが、本当にありがとう、と言われた。必要なのは慰めじゃなくて、共感だったことに気付いた。


がんばって、元気出して、大丈夫だよ、


どんな言葉も耳に入らないとき、この慰めの言葉は薄情に聞こえる。

 

もう頑張ったよ、出す元気なんかとっくになくなってるよ、何が大丈夫なの?

 

この気持ちが分かるの?

 

分からない。

 

 

分からないから教えてほしい。

 

話をしてほしい。泣きたい時は泣いてほしいし、もちろん黙っててもいい。1人になりたかったらそれでもいい。

 

私たちは、悲しい時こそ自己中心的でいていい。

 

辞めないでと駄々をこねて、地団駄を踏んで泣きわめいていい。現実逃避はしたいだけすればいい。

 

いつか現実を受け止めて、前を向くときがくるかもしれない。もうずっと止まることを決めたなら、それでもいい。でも進むなら、前に進むためには、踏み出さなくてはいけない。

 

 

その日までずっと泣いてたって、きっとまた彼らに救われて笑わされて、幸せだって思う日が絶対に来る。絶対なんてないけど、いつも楽しそうなことやってゲラゲラ笑い合ってるあの関係性を羨ましいと思ったことがあるから、またそうやって笑い合っててほしいっていう願望なんですけどね。関ジャニのファンじゃなくて、関ジャニ7人とファンの、あの空間のファンなんです。

 


だから、もう泣かせないでほしい。どうやって生きればいいのか分からなくさせるほど悲しいことなんか、もう絶対にないと誓ってほしい。自分たちがどれだけ愛されているかを自覚してほしい。

 

 

もう絶対、幸せにしかしないでください。

 

私の大好きな友達のことも、ファンのことも、お願いします。