4140円

 

1年間、あなたたちのファンでいる権利を4140円で手に入れた。


更新期限が近づいていたことを思い出して慌ててATMに行った。暑いのか寒いのか分からない微妙な天気の中、グングン進む電動チャリを漕いでATMに向かった。


好きだったグループは知らない間に解散していたし、ぼんやりと好きだった人は年末に芸能界を引退してしまうし、別に好きでもないグループは炎上に炎上を重ねたし、大好きな人たちはブログの更新が遅れたことをファンに怒られて謝っていた。


それでも、私はあなたたちのファンでいる証拠を、4140円で買った。そのためだけに家を出た。その証拠が欲しいためだけに4140円を機械に吸い込ませた。それが終わるとまっすぐ家に帰った。帰り道、蝉の死体を見て、そういえば今年はセミファイナルに遭遇しなかったなぁなんて思った。


今日から1年間、あなたたちを好きでいる権利が与えられたのだ。解散、引退、炎上。この界隈では、過去最大と言っていいほど色々なことがあった。あなたが1年間、ステージの上に立ち続けていてくれる保証なんてどこにもない。信じてる、愛してる、なんて言葉だけではどうにもならない。


だから、4140円払った。何も言えない代わりに、4140円払った。安いのか高いのか分からない金額を、easyにpayした。1年間、1000円札4枚で得ていられる繋がりなんて、薄っぺらくてすぐに途切れてしまうのかもしれない。私が払わなければこの繋がりは何事もなかったかのように途切れる。


それでも、4140円で、あなたたちと繋がり続ける。愛してると叫ぶ代わりに、機械に4140円を吸い込ませ続けるのだ。

 

 

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1年間、よろしくお願いします。