目的と手段と嵐

 

 

 

私は現代文が得意です。でも全国◯位!ってことではなく、英語や歴史に比べればの話なんですけど。
 
大学やセンター試験の過去問で「手段と目的」がテーマの文章に何回もブチ当たりました。私このテーマが特に苦手で、見るだけで寒気がするぐらい嫌いだったんです。
 
 
 
今回、Japonismを見てはっきりと感じました。
 
 
嵐は手段だということ。
 
 
嵐のコンサートは凄いです。コンセプトの明確さ、衣装やセットの豪華さ、エンターテイメント性とクオリティの高さ、誰がどこにいても楽しめるような工夫もされていて、瞬きするのがもったいない。でもそれが私たちへ向けてのものなのかは、正直分からん。
 
ファンのためにやるものだということは分かっている。でも本当に本当に、ファンのためのものなのかな.......って。
 
 
私が初めて行ったコンサートはアラフェスで、会場である国立競技場の解体が既に決定していました。そのとき松本さんが呼びかけた言葉を強烈に覚えているんです。
 
 
「皆、聖火台にお礼言おう」
 
 
そのときは初めてのコンサート、大きな会場、野外、色んなことでめちゃくちゃ興奮していたので何も疑問に思わず素直にお礼を言ったんですけど、時間が経つにつれて「何でお礼言わされたんだ..........?」という気持ちが出てきて。解体前にやる最後のコンサートだから、感謝の気持ちを込めてのお礼と言われても..............。コンサート自体は素晴らしかったんです。初めて踊る嵐を見て、翔くんのソロなんか人生で初めて感極まってしゃがみこんで泣くという経験をしました。
 
 
オリンピック関連の人間が見に来ていたらしいという事を知ったのはコンサートが終わった後でした。
 
 
通りで。
 
 
 
通りで翔くんが曲の途中にオリンピックの話してた訳だ。松本さんが聖火台の話してた訳だ。
 
 
 
 
そのとき初めて違和感を感じました。このコンサートはファン投票で上位になった曲をやったり、やってほしい演出、着てほしい衣装のリクエストに応えたり、まさにファン感謝祭のようなコンサートだったんです。それなのに、オリンピックの話するの?この話も本当にファンのためなのかな?っていう違和感。
 
 
嵐の視線はどこに向いてるんだろうって思うようになったのはこれが始まりでした。
 
 
 
Japonismのテーマは「原点回帰」。
 
 
ジャニーズの原点、日本文化の原点、それらを1度立ち止まって考えてみよう。
 
 
翔くんは世界一和服が似合う(私調べ)ので、和風の衣装で出てきた瞬間は「ふえぇ」って単語が素で口から飛び出した。制御ペンライトの景色は最高に綺麗で鳥肌が立った。パフォーマンスはJaponismがテーマにも関わらず、それだけに囚われることないセトリ。これが原点にして頂点かと改めて思い知らされました。
 
 
日本文化をより深く知ってくれれば。歌舞伎という伝統と繋がりのある松本さんならではの思いが伝わってきました。伝えられることはきっと少ない。でも出来る限りの思いを詰めたんだろうということも。
 
 
ここで違和感の正体が分かりました。
 
 
 
嵐は手段であると。
 
 
何かを知ってもらうための手段。
 
 
何かをアピールするための手段。
 
 
嵐はファンの目的であり、何かにアピールするための手段である。
 
 
誇らしい。
 
 
 
 
 
誇らしい?
 
 
 
 
正直、誇りに思ったことあんまりないんです。すごいよ。すごいけども。伝承の担い手になるなんて、ジャニーズの枠を超えたと思います。
 
 
私は、嵐を見たい。アイドルの嵐を見たい。歌って踊る5人が見たいだけなのに。
 
 
あ、国民的アイドルを応援するってこういうことなんだなぁ。受け入れなきゃいけないのかな。受け入れるべきなんだろうなということは分かっているんですけど、私が見たい嵐と嵐が見せたい嵐のギャップに耐えられない。事務所から言われてるのかもしれない。事務所は絶対だということは分かる。じゃあ私が応援する意味って何だろう。私が一生ついて行きたいと思った翔くんはいつでもそこにいてくれる。逆について行けない嵐も同時に存在していることが苦しい。だって大きくなりすぎたものって、いつかは破裂してしまうんですよね。怖い。破裂してしまうぐらいなら萎んでほしいって思うのは、本当にファンとして失格なんだろうと思います。
 
 
寂しいというかつまらないというか.............素直に喜べない、苦笑いしかできなくなった。ここでどう思うのがファンとして正解なんだろう。これが現代文なら考えて答えが出るのに。
 
 
 
こんなこと考えてますがJaponism自体はものすごい良いコンサートでした。1つ文句があるといえば和也くんのソロで引きが多すぎて和也くんの可愛い可愛いご尊顔が拝めないだろうがって感じです。
 
 
 
 
 
あと感想をちょっとだけ呟いたので載せておきます。最後までありがとうございました。