ナナミン星まで50000年
みんなからの「もっと早くに出会って、たくさん会いに行けばよかった」や、「もっといろんなななみんを見るために、いろんなことをしておけば良かった」という声もたくさん聞いたし見ました。けどそれは違うなと思ってます。人は必要な時に必要な人と逢うと思っています。だから足りないと思っていても、その足りなさがきっとみんなの今後の人生にとって大事になってくる想いだったんだろうなと思います。だから足りないってことも多すぎるってこともないと思います。ちょうど良かったんだと思います。
「あのとき行けばよかった」「あのとき買っておけば」「あのときファンレター出しておけば」「あのときちゃんと好きって言っておけば」
オタクは後悔が尽きない生き物で、私は常に何かを後悔している。でも考えてみれば、金と時間と決断力があれば私の大体の後悔は減らせる。
しかしそのどれにものを言わせてもどうにもならないのが、「出会い」だ。
「もっと早く出会いたかった」
こればかりは本当にどうにもならない。タイミングの問題。後悔しても救いようのない気持ち。お焚き上げ不可である。
誰かに出会うたびに思う。
アイドルに限らず、友達でも、先輩や後輩でも、「もっと早く出会いたかった」と思う人がたくさんいる。
ここ最近、淳太くんにもっと早く出会っていたかったなと思うことがある。昔の思い出を愛おしそうに話す淳太くんを見たら、そう思わずにはいられない。
ジャニーズWESTは今年の4月でデビュー3周年を迎えた。何度も何度も忘れられない景色を口に出す彼らを見るたびに、もっと早くから応援していたかったなと思う。
考えるだけ無駄とわかっていても考えてしまう。オタクの業は深い。
このお焚き上げができない気持ちを見事に燃やし尽くしてくれたのが、橋本奈々未さん。ななみんだった。
必要な時に必要な人と出会う。
じゃあ私はこれでよかったんだと思えた。このななみんの一言で、後悔が晴れた。淳太くんの担当を名乗ろうと決めた瞬間から今まで、ずっと後悔ばっかりだった。
でもあの時じゃなきゃダメだったんだ。あの瞬間に淳太くんがいたこと、私がいたことのすべてに意味があった。あのとき悔しかった気持ちは、これから先何かにぶつかったときに必要な感情かもしれない。足りなかった時間ともこれからいっぱい出会えばいい。
ななみんにオタクの生き方を肯定された気がした。後悔だって必要だと、言われた気がした。
ななみんのこと何にも知らないけど、きっと皆が当たり前すぎて忘れていることをきちんと口に出して教えてくれる人なんだろうなと思う。こんな素敵な人がアイドルであった事実の当事者に私はなれなかったけど、それでよかった。
映画のように舞台を去ってしまった。荷物を1つも残さず、「ありがとうございました」と言ってドアを閉める引っ越しのシーンのように。鳴り止まないカーテンコールの中、アンコールの大合唱が響いても、ななみんは絶対にアンコールに応えない。永遠と拍手の雨に降られながら誰も知らない所で生きるんだ。
あんな素敵な景色を何度も目にしているのに、他の場所へ行きたいと思ってしまうことがないものねだりだ。
何も言えなかった。
あまりにも美しく、潔く、前だけを向き、凛と立っている彼女の気を引く言葉は、この世に存在しない。
目の前にあるこの幸せだけで生きていけないのは、みんな一緒だった。
好きな小説をよんで微睡める自由こそ幸せな世界に、もう拍手は届かない。
彼女が幸せな世界線に私たちが存在することはないけれど、それでいいんだと思う。
本当に今更すぎるけど、卒業おめでとうございました。